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『蟹工船/小林多喜二』ー【あらすじ・簡単な要約・読書感想文・解説】

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今回は『蟹工船(かにこうせん)/小林多喜二(こばやしたきじ)』のあらすじと要約です。

 

「蟹工船」は資本主義の矛盾を痛烈に批判し、作品が発表された1900年代前半には一部で問題作とされていました

実際に作者の「小林多喜二」は革命運動家として政府に逮捕され、拷問によって虐殺されています

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今の日本においても「共産主義」と聞くと否定的なイメージを持つ方が多いと思いますが、

「蟹工船」が描く ”労働者の苦悩” と ”資本家の傲慢さ” を味わえば共産主義がすべて間違っているとは考えなくなると思います

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今回は『蟹工船/小林多喜二のあらすじ・簡単な要約・解説』として、プロレタリア(労働者)文学の傑作を通して、

ちょっとだけ資本主義の幻想を疑ってみてください

※ お時間のない方向けに ”最初に「あらすじ・要約のまとめ」を載せている” ので、そちらだけでもお読みください<(_ _)>

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『蟹工船/小林多喜二』ー【あらすじ・簡単な要約・読書感想文・解説】

「蟹工船/小林多喜二ー あらすじ・簡単な要約・読書感想文用・解説」まとめ

・ 蟹工船では、労働者たちが過酷な条件下で働かされていた

・ 誰も監督には向かうことはできず、命を削って作業に当たっていた

・ ある時、同伴していた船から救助要請が入る

・ しかし監督は時間がもったいないと言って沈没船を見殺しにした

・ 荒れる海で遭難していたはずの船員がロシア人に救助され、生きて蟹工船に戻ってくる

・ 船員はロシア人から共産主義を教わり赤化していた

・ 蟹工船での作業は過酷さを増していき、ついには死亡者が出る

・ たまりかねた労働者たちは一致団結して監督らに立ち向かう

・ 監督は要求条項をのむが、しばらくすると海軍の軍艦がやってきて船員たちを逮捕、弾圧した

・ 船員たちは本当の敵が誰だったのかを知り、再び立ち上がった

 

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『蟹工船/小林多喜二』の簡単・分かりやすい要約

 

『蟹工船/小林多喜二』の主な登場人物は2種類です。

1、蟹工船で働く「労働者」

2、労働者を指揮する「資本家」

 

ここからは『蟹工船/小林多喜二の簡単・分かりやすい要約』として概要だけ説明していきます。

 

 

蟹工船は他国の領海を侵犯しては漁を繰り返し、巨利をむさぼっていました。

 

乗組員たちには常軌を逸する過酷な労働が強いられ

そこには14-15歳の少年や騙されて連れてこられた学生たちの姿もありました。

 

冬の海は荒く、船員たちは凍える寒さの中で作業に当たっていましたが、

船のリーダーである監督には誰も逆らうことができませんでした

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ある時、蟹工船に一本のSOSが入ります

それは蟹工船と並んで進んでいた船からの救助要請でした。

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しかし監督は ”船を助けていては1週間も無駄にするし、

あの船は保険に入っているから沈没した方が金になる” ーと言って船とその船員425人を見殺しにしました。

 

蟹工船の船員たちは皆、沈没船と自分の運命を重ね合わせました

 

ある時、荒れる海で行方不明になっていた船員が蟹工船に生きて戻ってきました。

 

ロシア人に助けられたようで、その船員は共産主義を教わっていました。

そして、その共産主義の考えがすこしずつ船内に広まっていきました

 

しばらくして蟹工船の労働は一層過酷さを増していき、ついには死亡者が出てきました。

すると監督はろくな葬式もせずに、その遺体をそのまま海に放り投げてしまいました。

 

たまりかねた労働者たちは、ついに監督と立ち向かいました

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船員たちの団結の前に強悪だった監督たちも屈服せざるを得ず、最終的には船員の「要求条項」をのみました

 

しかし、監督は隠れて帝国軍に連絡を入れており、海軍によって首謀者たちは逮捕され、ストライキも弾圧されました

さらに、労働条件は前にもまして過酷になっていきました。

 

「俺達には、俺たちしか、味方が無えんだね。」

船員たちは自分たちの本当の敵を知り、再び立ち上がるのでした

 

 

以上が簡単な『蟹工船/小林多喜二』の要約です。

もう少し章をわけて説明した方がわかりやすいと思うので、以下に『人間失格/太宰治のあらすじ』も載せておきます。

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『蟹工船/小林多喜二』のあらすじ・解説

 

「蟹工船/小林多喜二のあらすじ1」ー 過酷な労働条件で働く漁師たち

 

「おい、地獄さ行ぐんだで!」

蟹工船 ”博光丸” に乗り込む漁夫(ぎょふ:漁師のこと)達はそう言いながら函館の町をみていました。

 

寒風吹きすさぶ大海を蟹工船はオホーツク海へと進み、

北洋やソ連の領海を侵犯しては漁を行い巨利をむさぼっていました。

 

蟹工船で働く労働者たちには過酷な労働条件が強いられ、非人間的な扱いを受けていました

 

漁夫たちの「巣」には薄暗い中に漁夫が収容され、さらに吐き気のしそうな臭いが立ち込め、

そこはまさに「糞壺(くそつぼ)」でした。

 

漁夫たちは糞壺で4カ月間生活しなければなりませんでした

 

雑夫(ざっぷ)の中には14~15歳の少年ばかりがおり、彼らは田舎から出稼ぎに来ていました。

また、蟹工船の中には騙されて東京から連れてこられた学生たちもいました。

 

蟹工船に乗せられた労働者は300人で、いずれも想像を絶する過酷な条件下で働かされていました

 

北海道の冬の海は荒く、凍える寒さが刺し込んできます。

蟹工船のリーダーである「監督」は鮭殺しの棍棒を持っては、彼らを大声で怒鳴り散らします。

 

蟹工船には8隻の「川崎船」という小型漁船を乗せていましたが、それらを船に縛り付けるのも漁夫たち仕事でした。

気を抜けば簡単に漁夫たちは波にさらわれてしまい、1隻の船よりも漁夫たちの命は軽かったのです

 

 

「蟹工船/小林多喜二のあらすじ2」ー 金は命よりも重い

 

ある日、蟹工船と並んで進んでいた別の船からSOSが送られてきました。

 

船長はすぐにその船助け出そうと、操縦室に入ります。

すると監督が「誰が余計な寄り道をしろと言った」といって制止し、沈没船を見殺しにしました。

 

監督が言い分では、船はちゃんと保険に入っているから沈没すれば得をする、ということでした

さらに船を助ければ1週間は無駄にすることになるから認められないとー。

 

やがて船内に連絡が入ってきました。

 

 

「乗組員425人、救助される見込みなし」。

 

船はそのまま沈没し、蟹工船の乗組員たちは自分の運命と重ね合わせました

 

 

「蟹工船/小林多喜二のあらすじ3」ー 船員たちが共産主義を学ぶ

 

ある日、監督は荒れる海へと無理やり川崎船を出させ、1隻の船が行方不明になりました。

 

3日後に船と船員は無事に戻ってきましたが、ロシア人に救助され助かったようでした。

彼らはわずか3日で「赤化(せっか:共産主義化すること)」されていました

 

救助された船員によって共産主義の考えが船内に広まっていきます

 

働かない金持ちばかりがどんどんと富を得て、働いている労働者たちはどんどん貧乏になっている、

まさに共産主義の訴えは蟹工船の構造そのものでした。

 

同時に、「資本家たちを団結してやっつける」というストライキの理念も伝わっていきました

 

 

「蟹工船/小林多喜二のあらすじ4」ー 資本家に立ち向かう労働者たち

 

蟹工船の労働は日に日に過酷さを増していきました。

糞壺では虫が湧き、女に飢えた漁夫たちは雑夫に夜這いをかけるありさまでした。

 

やがて皆の体が疲労で動かなくなっていき、全員の作業のスピードが落ち始めました。

全員がのろのろと仕事をしているため、監督も手の打ちようがありませんでした。

 

そしてある時、1人の漁夫が死体を監督がそのまま海に投げ入れたのをきっかけに、

これまでの悪行にたまりかねた労働者たちは立ち上がります

 

船員たちは一致団結して監督や船長と対立し、闘争へと発展していきました。

 

強悪といえる船長たちであっても、船員たちの団結の力の前には屈しざるをえず、

ついに彼らの要求条項を飲みます

 

しかし、そんな状況下でもまだ監督は落ち着き払っているのでした。

実は監督は事前に帝国の軍艦に連絡を入れていたのです

 

やがて海軍の駆逐艦(くちくかん)がやってきて首謀者9人逮捕され、ストライキは弾圧されました。

さらに、前にも増して船員たちの労働条件は過酷なものとなりました。

帝国の軍艦は国民の見方などでは決してなく、金持ちの手先だったのです

 

「俺達には、俺たちしか、味方が無えんだね。」

 

船員たちは初めて自分たちの本当の敵を知りました。

そして、再び立ち上がるのでした。

 

 

以上が『蟹工船/小林多喜二』のあらすじと要約です。

 

蟹工船で働く労働者たちは過酷な労働を強いられていましたが、

ロシア人に救助された船員をきっかけに共産主義を学びます

 

そして、団結してストライキを行いますが、結局は政府の手によって葬られてしまう…。

 

私は別に共産主義者ではありませんが、皆が平等という理念自体には賛同できます。

確かに未発達の資本主義における搾取が異常なことは確かです…。

 

そんな現代の日本の資本主義にも警鐘を鳴らすという点で、今回の「蟹工船/小林多喜二」は高く評価されています

おそらく小林多喜二自身が政府による拷問で殺されたということも大きな要因となっているでしょう。

 

「蟹工船」という作品は1929年に発表されたものですが、

意外と読みやすい作品なのでちょっと哲学的な考えに浸ってみたいという方にはお勧めです。

この機会に学生たちはこれからの社会のことを、社会人の方は社会の構造と矛盾について少し考えてみてはいかがでしょうか

 

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