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『地獄変/芥川龍之介』ー【あらすじ・簡単な要約・読書感想文・解説】

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今回は『地獄変/芥川龍之介のあらすじと要約』です。

 

「地獄変」は、芥川龍之介が書いた歴史小説の代表作で、

”絵を描くことに心を奪われた絵師” と、それをあざ笑う ”大殿様” の、奇妙で恐ろしい逸話を表現した作品です。

 

今回は『地獄変/芥川龍之介【あらすじ・簡単な要約・読書感想文・解説】』として、

短く・わかりやすく” 書いていくので、魅惑の怪異ワールドをどうぞお楽しみください!

※ 時間のない方向けに、最初に「まとめ」を載せています

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『地獄変/芥川龍之介』ー【あらすじ・簡単な要約・読書感想文・解説】

「地獄変/芥川龍之介ーあらすじ・簡単な要約・読書感想文・解説」まとめ

・ 大殿様の家宝となっている「地獄変の屏風(びょうぶ)」ほど恐ろしい由来はない

・ とくに印象的なのは、空から落ちてくる1両の牛車(ぎっしゃ)だろう

・ 牛車は激しく燃えており、中にはきらびやかな女性がもだえ苦しんでいた

・ 地獄変を描いたのは、性格は悪いが天才と評判の「良秀(よしひで)」だった

・ 良秀には可愛らしい娘が1人いて、とても大事にしていたが、大殿様に仕えることになった

・ 良秀は娘を取り戻したいらしく、絵を描いた褒美として娘を返すように大殿様にお願いしていた

・ 大殿様はご立腹したようで、しばらくして良秀に「地獄変の屏風」を描くように命令した

・ 良秀は ”実際に目にしたものしか描けない” といい、目の前で牛車の中で焼かれる高貴な女性をみせるよう大殿様にお願いした

・ 大殿様はけたたましく笑い、その願いを快諾した

・ ちょうどこの頃、良秀の娘が夜中に泣いて走っている姿が目撃されている

・ 大殿様は良秀を呼び出すと、約束通り目の前で牛車を燃やした

・ しかし、牛車の中に入っていたのは良秀の娘だった

・ 良秀は最初こそ苦しんでいたものの、次の瞬間には満面の笑みを浮かべて燃えさかる炎をじっと眺めていた

・ 1ヶ月後、良秀は完成した地獄変を大殿様に献上し、まもなく自殺した

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『地獄変/芥川龍之介』の簡単・分かりやすい要約

 

『地獄変/芥川龍之介』の主な登場人物は4人です。

 

1、:物語の語り手。大殿様(おおとのさま)の家来に当たる。

2、大殿様:殿様。皆から慕われている。

3、良秀:天才の絵描き。性格は悪く、実際に見たものしか描かないというこだわりがある。

4、良秀の娘:良秀とは似つかない可愛らしい娘。大殿様にみそめられ、屋敷に仕える。

 

ここからは『地獄変/芥川龍之介の簡単・分かりやすい要約』として、概要だけ説明していきます。

 

 

「大殿様(おおとのさま)」は皆から慕われる存在で、のちのちまで語り継がれる逸話がたくさんありました。

 

中でも家宝となっている「地獄変の屏風(びょうぶ)」ほど恐ろしい由来はないでしょう。

 

地獄変の屏風と聞くだけで、あの恐ろしい光景が思い出されます。

 

激しく燃えさかる炎の中でも、ひときわ目立って凄まじいのは、空から落ちてくる1両の牛車(ぎっしゃ)でしょう。

 

燃えさかる牛車の中では、きらびやかな衣装をまとった女性がもだえ苦しんでいるのです。

 

ああ。これです。これを描くために、あの恐ろしい出来事が起こったのです。

 

地獄変の作者は、絵描きの天才でありながら、性格が醜い「良秀(よしひで)」という絵師でした

 

良秀には可愛らしい一人娘がおり、大変大事にしているようでしたが、

大殿様にみそめられたため、お屋敷に仕えることになっていました。

 

しかし良秀は納得していないようで、大殿様の指示で絵を描いたときなどは、褒美として娘を返すようにお願いしたほどです

 

このとき大殿様はご立腹され、しだいに良秀を見る目は冷たくなっていきました。

 

ある日、大殿様は良秀をお呼びになって「地獄変の屏風」を描くように命令されました。

 

良秀は ”実際に目にしたものしか描かない” というこだわりを持っていたため、

地獄変を完成させるために、目の前で牛車の中で焼かれる高貴な女性を直接みたいと大殿様にお願いしました

 

それを聞くと、大殿様は突然けたたましくお笑いになりその願いを快諾したのです。

 

ちょうどこの半月ほど前に、私は良秀の娘が夜中に泣いて走っている姿を目撃した覚えがあります

 

数日後、大殿様は約束通り良秀を呼び出しました。

 

そして大殿様は、声を上げずにお笑いになり、良秀に牛車の中をみせるように命令しました。

 

牛車の中で鎖に縛られていたのは…なんと、良秀の娘だったのです

 

良秀は正気を失ったように走りだしましたが、すぐに大殿様は「火をかけい」と命令されました。

 

良秀は始めは恐れと悲しみで苦しんでいたものの、次の瞬間には満面の笑みを浮かべて燃えさかる炎をただじっと眺めていました

 

ー1ヶ月後、良秀は完成した地獄変を大殿様に献上し、まもなく自殺しました。

 

以上が簡単な『地獄変/芥川龍之介』の要約です。

だいぶ省略してしまったので、以下にもっと楽しめるように『地獄変/芥川龍之介』のあらすじも載せておきます。

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『地獄変/芥川龍之介』のあらすじ・解説

 

ここからは「地獄変/芥川龍之介」のあらすじと解説です。

 

地獄変には恐ろしい由来が…!

「大殿様(おおとのさま)」は大変器量の大きい方で、皆から慕われる存在でした。

 

大殿様の牛車(ぎっしゃ)の牛が老人に怪我をさせたときでさえ、老人は手を合わせてありがたがったほどです。

 

この他にも、大殿様にはのちのちまで語り継がれる逸話がたくさんありましたが、

中でも家宝となっている「地獄変の屏風(びょうぶ)」の由来ほど恐ろしい話はないでしょう。

 

20年間大殿様にお仕えしてきた私ですら、あのような凄まじい代物に出会ったことはまたとありませんでした。

 

地獄変の屏風と聞くだけで、あの大変恐ろしい光景が目の前に浮かんでくるようです。

 

激しく燃えさかる炎の中で、あらゆる身分の罪人がもだえ苦しんでいるのです。

 

その中でも、ひときわ目立って凄まじいのは、空から落ちてくる1両の牛車でしょう。

 

燃えさかる牛車の中では、きらびやかな衣装をまとった美しい女性がもだえ苦しんでいるのです。

 

ああ。これです。

 

これを描くために、あの恐ろしい出来事が起こったのです。

 

地獄変の作者は個性的!

地獄変を描いたのは、「良秀(よしひで)」という絵師でした。

 

良秀は日本一と評されるほどの絵描きでしたが、性格には大きな問題がありました。

 

見た目の卑しさに比例するように性格も醜く、ひどく傲慢であらゆるものをバカにしないと気が済まなかったのです。

 

一方で、こんな良秀にも、本人とは似つかない可愛らしい一人娘がいました。

 

良秀は娘を大変可愛がっていましたが、大殿様にみそめられ、お屋敷に仕えることになってしまいました。

 

しかし良秀は得心がいっていないようで、大殿様のご命令で1つの絵を描いたときなどは、

褒美として娘を返すようにお願いしたほどです。

 

このとき大殿様はご立腹され、しだいに大殿様の良秀を見る目は冷たくなっていきました。

 

実際に見たものにか書けない良秀がとった行動は…!

ある日、大殿様は良秀をお呼びになって「地獄変の屏風」を描くように命令されました。

 

良秀は ”実際に目にしたものしか描かない” というこだわりを持っていたものですから、

地獄変を描く時には、弟子を縛り上げて苦しませたり、動物をけしかけて弟子を襲わせたりしていました。

 

ところが地獄変がまもなく完成するというところで、良秀はなにか行き詰ってしまったようでした。

 

ちょうどそのころ、良秀の娘にも少しおかしな出来事がおこりました。

 

良秀の娘は最近、気が滅入り涙をこらえているように見える時が増えていたのですが、

ある夜、服を乱しながら走り去っていく姿を私は目撃したのです。

 

私が小声で尋ねても、娘は首を振るばかりで、

涙を目いっぱい溜めただけで、何も答えてはくれませんでした。

 

良秀、最後の願いとは…?

そうした娘の変化があってから半月後、良秀はあるお願いのために大殿様のもとへやってきました。

 

どうやら良秀は地獄変を完成させるために、大殿様の助力を借りたいということでした。

 

良秀は地獄変の中に、燃えさかる牛車の中で高貴な女性がもだえ苦しむさまを描きたいらしく、

自分がみている目の前で牛車を燃やしてほしいというのです。

 

それを聞くと、大殿様は突然けたたましくお笑いになりました。

 

そうして、良秀の依頼を快諾したのです。

 

地獄変…!

2、3日後…。

 

大殿様は約束通り良秀を呼び出しました。

 

そして何を思ったのか、大殿様は声を上げずにお笑いになり、良秀に牛車の中をみせるように命令しました。

 

牛車の中で鎖に縛られていたのは…ああ、なんということでしょう。

 

それは良秀の娘だったのです。

 

私は叫び声をあげそうになりました。

 

娘の存在を確認した良秀は、正気を失ったように牛車の方に走っていこうとしました。

 

このとき「火をかけい」と大殿様は命令されました。

 

牛車に火が燃え始めると、良秀は足を止め、食い入るように業火を眺めていました。

 

その顔には恐れと悲しみ、驚きがはっきりと刻まれていました。

 

すると、なんと不思議なことでしょう。

 

つい先ほどまで苦しんでいた良秀は、満面の笑みを浮かべて燃えさかる炎をただじっと眺めていたのです。

 

ー1ヶ月後、良秀は地獄変が完成したと大殿様にご献上されました。

 

そして良秀はまもなく、自殺しました。

 

 

以上が「地獄変/芥川龍之介」のあらすじです。

 

「地獄変/芥川龍之介」のストーリーとしては、

・ 絵描きの天才「良秀」は、実際に見たものしか描けない

⇒ 絵の素材のために、弟子などを苦しめる

⇒ 大殿様が地獄変の絵を描くように良秀に命令する

(⇒ 良秀の娘が泣いている姿が目撃される)

⇒ 大殿様は地獄変の素材のために、良秀の娘を焼き殺す

⇒ 良秀は興奮してその様子を眺める

といった概要ですね。

 

キーポイントとなるのは「良秀の娘が泣いている姿が目撃される」という一文で、

大殿様の敷地内で、しかも夜に目撃されているということから、娘は大殿様にムリやり迫られていたのだと考えられます。

 

娘はそれが嫌だったため、涙を流し、ある晩には逃げ出してきたのでしょう。

 

そして、その半月後に大殿様によって焼き殺されています。

 

また、良秀の視点では、大切な一人娘が火にかけられているということに最初は驚き恐怖しますが、

次第に最高の地獄変の素材がみられたことに興奮し、うれしそうに業火を眺めるようになります。

 

しかし、最後に自殺しているように、いくら性格に問題のあった良秀でも、

娘の死は耐えきれず生きながられることはできなかったのでしょう。

 

ただし、それでもきちんと地獄変の絵だけは完成させています。

 

文中の「私」の感想としては、

”大殿様は絵のために人殺しを依頼する良秀を懲らしめるために、娘を火にかけた”

となっていますが、やはり娘が最近になってよく泣くようになったことを考えても、大殿様を受け入れなかった娘への腹いせだったと考えるのが妥当でしょう。

 

今回の「地獄変/芥川龍之介」は、「宇治拾遺(うじしゅうい)物語」と「古今著聞集(ここんちょもんじゅう)」をミックスさせて、

芥川龍之介がアレンジした作品です。

 

あらすじを読んだだけではわかりにくい独特の文語体や、イメージしやすい色使いなど読んでいて興味深く、

また現在の中学生くらいでも十分に読める文章になっているので、お時間のある方はぜひ全文を一読してみてください。

 

読後の感想やご意見なども随時募集中です!

 

以上、『地獄変/芥川龍之介【あらすじ・簡単な要約・読書感想文・解説】』でした。

ご朗読ありがとうございました<(_ _)>

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