今回は『蜘蛛の糸/芥川龍之介のあらすじと要約』です。
芥川龍之介と聞けば、「羅生門」と「蜘蛛の糸」がすぐ思い出されるほど有名な作品ですね。
「蜘蛛の糸/芥川龍之介」は、見方によってはお釈迦様(おしゃかさま)のよくわからない救いと、
ちょっと理不尽な制裁がある奇妙な作品です(笑)
今回は『蜘蛛の糸/芥川龍之介【あらすじ・簡単な要約・読書感想文・解説】』として、
”短く・わかりやすく” 書いていくので、一風変わったヘンテコ劇場をお楽しみください!
※ 時間のない方向けに、最初に「まとめ」を載せています
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蜘蛛の糸/芥川龍之介【あらすじ・簡単な要約・読書感想文・解説】
「蜘蛛の糸/芥川龍之介ーあらすじ・簡単な要約・読書感想文・解説」まとめ
・ 「お釈迦様(おしゃかさま)」が地獄を見ると「カンダタ」という悪党をみつける
・ カンダタは生前に蜘蛛を助けてやったことがあった
・ お釈迦様は蜘蛛の糸を地獄に垂らし、カンダタに地獄を抜け出すチャンスを与える
・ カンダタは蜘蛛の糸を上るが、他の悪人がのぼってきたため、蹴散らそうとする
・ それをみていたお釈迦様は蜘蛛の糸を切り、カンダタは再び地獄へと落ちていった
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『蜘蛛の糸/芥川龍之介』の簡単・分かりやすい要約
『蜘蛛の糸/芥川龍之介』の主な登場人物は2人です。
1、お釈迦様:極楽をお散歩中、極楽から地獄をながめる。
2、犍陀多(カンダタ):大悪党の大泥棒。生前にただ1度だけ蜘蛛を助けてやったことがある。
ここからは『蜘蛛の糸/芥川龍之介の簡単・分かりやすい要約』として、概要だけ説明していきます。
極楽をお散歩していた「お釈迦様(おしゃかさま)」は、ふと地獄をご覧になりました。
地獄には、放火や殺人など多くの罪を犯した「犍陀多(カンダタ)」という男がいました。
お釈迦様は、カンダタがたった1度だけ、蜘蛛を殺さず助けてやったことを思い出し、
地獄から救ってやろうと考えます。
お釈迦様は蜘蛛の糸を地獄へすーっと垂らしてやりました。
蜘蛛の糸を見つけたカンダタは、これで助かると一目散に糸を上っていきました。
しかし、途中で下を見ると、他の悪人たち一緒に蜘蛛の糸を上ってきています。
カンダタはこのままでは糸が切れると思い、他の悪人を落としてやろうとします。
それをみていたお釈迦様は、カンダタの浅ましい心を見抜き、糸を切って悲しそうに去っていきました。
以上が簡単な『蜘蛛の糸/芥川龍之介』の要約です。
もう少し章をわけて説明した方がわかりやすいと思うので、以下に『蜘蛛の糸/芥川龍之介』のあらすじも載せておきます。
『蜘蛛の糸/芥川龍之介』のあらすじ・解説
ここからは「蜘蛛の糸/芥川龍之介」のあらすじと解説です。
カンダタ、唯一の善行!
極楽をお散歩していた「お釈迦様(おしゃかさま)」は、ふと蓮池(はすいけ)の下をご覧になりました。
池の下には地獄があり、三途の川や針山と一緒に、生前に罪を犯した悪党たちがひしめいていました。
悪党の中には、放火や殺人など多くの罪を犯した「犍陀多(カンダタ)」という大泥棒の男がいました。
お釈迦様はカンダタを見つけると、”そういえばこの男は生前に1度だけ良い行いをしていた” と思い出します。
カンダタはただの1度だけ、林の中で蜘蛛を見つけたときに、踏み殺すことをやめ、命を助けてやったのです。
お釈迦様はカンダタの唯一の善行を認め、地獄から救い出してやろうと考えました。
カンダタに希望の光が…!
お釈迦様は、蓮の葉っぱに止まっていた蜘蛛を拾い上げ、その蜘蛛の糸を地獄に向かって垂らしてやりました。
地獄でひたすらに苦しんでいたカンダタは蜘蛛の糸を見つけ、大喜びします。
これでやっと地獄から抜け出せると、カンダタは一目散に蜘蛛の糸を上っていきました。
しかし、途中までのぼったところで、カンダタが下を見ると、
大勢の悪人たちが自分と同じように蜘蛛の糸を上ってきていました。
”このままでは蜘蛛の糸が切れてしまう…” と考えたカンダタは、
「俺に糸にのぼってくるな! さっさと降りろ」とわめき散らしました。
ーすると。
蜘蛛の糸はぷっつり切れて、カンダタはあっという間に地獄の底に落下してしまいました。
自分だけ助かろうとしたカンダタの浅ましい心にお釈迦様は幻滅し、
悲しそうに池から去っていきました。
以上が「蜘蛛の糸/芥川龍之介」のあらすじです。
カンダタは生前唯一した善行によって地獄を抜け出すチャンスを得ますが、
結局は「自分さえ助かればいい」という浅ましい思いのせいで、再び地獄に落とされてしまいます。
私が初めて「蜘蛛の糸/芥川龍之介」を読んだのは中学生のときでしたが、
当時は ('_') ← こんな感じで、何の感情もありませんでした(笑)
ところが今になって読み返してみると、現代の社会通念としてはものすごく矛盾だらけであることに気づかされます。
まず「カンダタは蜘蛛を助けてやった」と書かれていますが、
ただ踏み殺すのをやめただけで、命を救ったわけではありません。
蜘蛛にしてみれば、何もしてこなかっただけの人間であり、とくに助ける道理はないでしょう。
カンダタを助けるくらいなら、他に動物にやさしくしてやった者や、
動物に食べ物を与えた者の方が遥かに命を助けてやったといえます。
また、他の悪人を蜘蛛の糸から振るい落とそうとしたことでカンダタは地獄に落とされてしまいますが、
助けるべきではない悪人を一緒に地獄から出してしまって本当に良かったのでしょうか…?
カンダタの発言はともかく、行動としては ”自分だけ助かる” という選択は合理的なように感じます。
まぁ…そうはいいつつも、確かにカンダタには卑しく浅ましい心があったことは確かで、
明確に ”救いようのない大悪党” という表現が徹底されているので、
ストーリーとしてはカンダタを地獄に突き落とすのは当然の結果だったと思います。
これはあくまでひねくれた私の見解なので、
ぜひ実際に「蜘蛛の糸/芥川龍之介」を一読してみて、ご自身ではどう感じるか考えてみてはいかがでしょうか?
図書館に行けば必ずおいてあるでしょうし、ブックオフの100均コーナーにもあると思います。
おそらく他の名作である「鼻」などと一緒に収録されているはずなので、一度全文を読んでみる価値は十分にあるでしょう。
以上、『蜘蛛の糸/芥川龍之介【あらすじ・簡単な要約・読書感想文・解説】』でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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